tunozemichanの日記 / tunozemichan's diary

SORD社のコンピューターM68やM68MXの解析についての備忘録です。This blog is a memorandum about the analysis of SORD's computers M68 and M68MX.

SORD M68MXを入手しました。

SORD M68MXについて

 

このマシンの情報を必要とする人がいるとは思えませんが、備忘録として記載します。

 

SORD M68MXは、1985年の5月(SORD社の社史による)に発売された多機能コンピューターです。1983年にM68というMC68000Z80を積んだコンピューターが発売されているのですが、M68MXはその廉価版(CPUがMC68000のみ)です。 

 

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M68MXの前面

筆者はこのM68MXをヤフオクで確か2000円で落札し、長い間放置していました。先日意を決して開封し、早速手を付けようと本体背面を見たら、こんな感じでした。

 

 

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M68MXの背面1

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M68MXの背面2

背面にあるのは、外付けFDDポートとプリンタポート、そして何故かグラフィックとキャラクタに分けられたディスプレイポートのみです。

見慣れたポートがプリンタくらいしかなく、キーボードを挿す場所もありません。画像出力系はVGAでもDsub9pinでもなく、25ピンもあるRS232Cなどに使われる形状のポートでした。いきなり手詰まりですが、とりあえず調べます。

 

めちゃめちゃ重い筐体を開けると、2枚の基板が重なって配置されています。上層の基板はグラフィックCRTポートに直結しているVRAMエリアだと思われました。下層の基板を見ると、MC68000が見えます。こちらがメインボードのようです。CHARACTER CRTポート周辺を見ると、ありがたいことに基板に文字が書いてあります。CHARACTER CRTポートの25ピンとの対応をとると、以下のようでした。

 

1pin -> GND

2pin -> R(ed)

3pin -> G(reen)

4pin -> B(lue)

5pin -> BW (Black/White)

 

さらにオシロで調べると、

 

6pin -> 56Hzの信号

7pin -> 29.8kHzの信号

 

が出ていて、V-SyncとH-syncではないかと思われました。これだけわかっていれば、モニタに出せそうです。早速、VGA(Dsub15pin)のメスを使って簡易なケーブルを作りました。しかし、うまくいきません。

 

仕方ないので、もう一度筐体を開け、基板を見たら、CRTCとして当時よく使われていたHD46505SPを見つけました。

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HD46404SP

このICの40ピンと39ピンから各々V-SyncとH-syncが出ているはずで、オシロで確認すると、確かに25ピンと同じ周期の信号が出ていました。この時、両方の信号を見て気づきました。HD46505SPの信号は正論理で、25ピンに出ている信号は負論理です。

確か、VGA信号のH-syncとV-Syncは正論理だったはずと思い出し、試しに、RGBは25ピンの2,3,4ピンからとり、V-SyncとH-syncはHD465055SPから取り出して、モニタに入力したところ、バッチリ!動きました!

 

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まとめます。M68MXのCHARACTER CRTポートの映像系信号は以下のような構成になっています。

 

2pin -> R

3pin -> G

4pin -> B

5pin -> B/W

6pin -> V-sync(負論理) 56Hz

7pin -> H-sync(負論理) 29.8kHz

 

CHARACTER CRTポートのみで、VGA信号を作るときは6ピンと7ピンにインバーターを入れる必要があります。