Z80とイーサーネット
Z80マシンであるSORD M23をLANにつないでみたいという願望があり、調べてみるとおなじくZ80 マシンであるMSXにはObsoNETというイーサーネットカードがあることを知りました。手元にMSXがあるので、さっそく作ることにしました。今回作成したのはObsoNET-reloadedです。
準備
obsonet reloadedをcloneします。
hardwareフォルダの下のgerberの中にあるobsonet_1-reloaded.zipをJLCPCBに発注しました。
パーツを集める
BOMファイルを見て、パーツを集めます。主要パーツは以下で入手しました。
RTL8019AS
秋月電子で入手しました。
「LANコントローラ RTL8019AS パルストランス付」
https://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-14252/
74HC133
ヤフオクで入手しました。Aliexpressにもあります。
https://ja.aliexpress.com/item/1005005744549216.html?spm=a2g0o.order_list.order_list_main.31.6553585adQQdAa&gatewayAdapt=glo2jpn
GAL16V8D
手持ち品です。Ebay、Aliexpressにもあります。
M29F400M
Aliexpressで入手しました。安いですが足が曲がっていたり、ちゃんと動くかわからない点が不安要素です。
https://ja.aliexpress.com/item/4000117028836.html?spm=a2g0o.order_list.order_list_main.5.6553585adQQdAa&gatewayAdapt=glo2jpn
これを書き込めるROMライターがあれば、一度書き込めるかチェックしてからはんだ付けしたほうが良いと思います。
93C46
秋月電子で入手しました。MACアドレスを書き込んだものが売っていますが、フォーマットが違うので空の物を買うほうが安いです。
「3線式シリアルEEPROM AT93C46D-PU」
https://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-02023/
パルストランス
Aliexpressで入手しました。秋月でRTL8019ASを買うと付いてくるので、それでも良いと思います。私は最初の製作だったのでなるべくBOMの記載通りにしたくて買いました。
https://ja.aliexpress.com/item/1005001701460892.html?spm=a2g0o.order_list.order_list_main.25.6553585adQQdAa&gatewayAdapt=glo2jpn
表面実装用スイッチ
秋月で入手しました。
【P-15969】 表面実装用タクトスイッチ TS-06104
LED
秋月で入手しました。
【I-06413】 3mm緑色LED 525nm OSG58A3131A(10個入)
【I-06412】 3mmオレンジ色LED 605nm OS5OAA3131A(10個入)
水晶発振器
秋月で入手しました。BOMと同じものは入手できませんでしたが、特に問題なく動作しています。
【P-08673】 クリスタル(水晶発振子) 20MHz
RJ-45コネクタ
マルツオンラインで入手しました。秋月で売っているRJ-45コネクタはピン間隔が異なり使用できません。
CONN MOD JACK 8P8C R/A SHIELDED【5555153-1】
https://www.marutsu.co.jp/pc/i/10830808/
抵抗、コンデンサなど
Aliexpressで入手できます。サイズはBOMに書いてあります。
作成の注意点
ほとんどありません。部品点数も少ないのですぐ組み立てられます。RTL8091ASはD型のこて先でやると滅茶滅茶簡単にはんだ付けできます。
一番の懸念はAliexpressで入手した29F400Mが不良品である可能性がある点です。はんだ付けしたあとで、剝がすのはめちゃめちゃ大変です。一度、ROMライターで書き込めることを確認してからはんだ付けしたほうが確実です。
93C46へのMACアドレスの書き込みは、このサイトに詳しいです。
MAC Address Generatorがあるので、MACアドレスを持ってなくても問題ありません。
74HC133の取り付けはICソケットを使うと、MSXのカセット挿入口に干渉する可能性があります。ROMライタのICチェックで正常であることを確認して、
直付けが良いようです。
完成後の作業(今回はMSX-DOS1を使いました)
RAM128kByte以上のMSXが必要です。
MSX-DOS1のディスクに、obsonet-reloadedのsoftwareフォルダの下にあるbiosフォルダ内のObsoNET Flash ROM Loader 1.0.zipを解凍して中のonetfrl.comをコピーします。さらに、bios_1.3フォルダのbios.rom、bios.datをコピーします。
> onetfrl bios.rom
として、ObsoNETカードのフラッシュROMにBIOSを書き込みます。
うまくいかなかった場合、カードのはんだ付けの失敗が疑われます。しかし、フラッシュROMが不良品である可能性もあります。書き込みに成功したら、一度リセットします。
起動画面にObsoNETのバナーが出れば、動く状態にあると思われます。
MSX-DOS1起動後に、以下のコマンドを入力すれば、DHCPサーバーからIPを借りてきてネットを使用できる状態になっています。
> msr i
> inl2 i
msr.comのコマンドはMSX-DOS1のときのみ使用するようです。
ちなみに、自分のIPなどは
> inl2 s
というコマンドで得られます。